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実は深い!日本酒と酸の密な関係

  • 2023/06/27
  • katidoki

ども、酒の勝鬨ヒラタです(*・ω・)ノ 
最近、ワインを思わせる様な甘酸っぱい日本酒や、酸味の高い日本酒などが増えてきてますよね。今回はキーワード「酸」について、スポットを当てていきたいと思います♪ 

そもそも酸って必要なの?

日本酒造りは発酵タンクを密封しない状態で造るので、様々な微生物(雑菌)が入り込み、品質に悪影響を与える可能性があります。悪影響を与える微生物は酸性に弱い為、 タンク内を酸性にすれば、酸性に強い性質をもつ酵母にだけ都合の良い環境となり、アルコール発酵をスムーズに行う事が出来ます。

酸

タンク内を酸性にしてくれる有機酸

有機酸とは、酸性を示す有機化合物の総称で、酸味を示す物質の一つである他、酸化を防止したり抗菌性も期待される等、機能的性質にも注目されています。下記に挙げた乳酸・リンゴ酸・クエン酸等が該当します。 

乳酸 

日本酒造りにはかかせない「乳酸」。雑菌の繁殖を防ぎ、酵母を純粋培養する大事な役割を担っています。速醸もとという醸造用乳酸を添加する方法と、生もと、山廃もと等の自然界にある乳酸菌(微生物)を育成して乳酸(物質)を得る方法などがあります。乳酸の多いお酒は、お燗によって美味しさも高まる事が確認されています。生もと、山廃系のお酒も色々有りますが、その中からオススメの1本はこちら! 

にいだ 燗誂

にいだしぜんしゅ 生もと純米 燗誂 

1800ml ¥2,860(税込)
720ml ¥1,430(税込)

農薬や化学肥料を使用しない「自然米」を全量生もとで仕込む、仁井田本家の燗誂酒。燗を付けると、米の旨味と生もと由来の酸が柔らかく広がり、心がほっとする味わいです。 

リンゴ酸 

林檎から発見された酸。 林檎や葡萄に多く含まれます。近年、リンゴ酸高生産酵母を使用して造ったお酒は増えています。その中でもオススメの1本はこちら! 

マル飛 no.77

飛良泉 山廃純米 マル飛 No.77

1800ml ¥3,190(税込)
720ml ¥1,760(税込)

山廃仕込みにこだわり、酸が特徴的な飛良泉ですが、中でも従来の日本酒のイメージを打ち破るのがこのお酒です。 きょうかい酵母No.77を使用。白ワインに匹敵する鮮烈な甘味と酸味に驚きます。 

クエン酸 

レモンやオレンジ等の柑橘類や、梅干し等に含まれる酸。本来は黄麹を使用する日本酒ですが、最近は白麹が生成するクエン酸を利用して造ったお酒も増えています。オススメの1本はこちら!

five-yellow

五橋 five イエロー 生もと純米 

1800ml ¥3,080(税込)
720ml ¥1,540(税込)

全て昔ながらの木桶仕込みのfiveシリーズ。イエローは白麹を使用した、ジューシーな甘味と酸味がライトに楽しめるお酒です。

そしてもうちょっとだけ詳しく、酸の性質について(*・ω・)ノ 

冷旨酸と温旨酸 

有機酸には冷やして美味しい冷旨酸と、温めて美味しい温旨酸があります。 

冷温旨酸

冷旨酸 

リンゴ酸、クエン酸などが該当します。大吟醸などの吟醸酒には、冷旨酸が多く含まれています。合わせる食べ物は、刺身や冷奴など冷たい物やさっぱりした物が相性が良い傾向にあります。 

温旨酸

乳酸などが該当します。中間~濃醇タイプの純米酒や熟成酒に、温旨酸が多く含まれています。合わせる食べ物は、煮付けや肉料理など温かい物やしっかりした物が相性が良い傾向にあります。 

クエン酸・白麴のお酒をお食事と合わせてみました

bunraku-reborn

Bunraku Reborn Sun Citron 特別純米 無濾過生原酒 R4BY
720ml ¥1,760(税込)
白麹を使用したBunraku Rebornシリーズの限定酒です。ピチピチとしたガス感があり、華やかな香りを感じます。瑞々しくすっきりとした、フルーティーな味わいです。しっかり冷やしてお楽しみください。日本酒ビギナーさんにもオススメしたい1本です。 

文楽リボーンとサーモン生春巻き

7℃の冷酒で、サーモンの生春巻きと合わせました。スイートチリソースの甘酸っぱい辛さとスモークサーモンのスモーキーな香り、まったりした旨味と、白麹の爽やかな酸と甘さがマッチ。細切り大根の辛さや瑞々しさとも相性○でした。 

もうひとつ忘れてはならないのがアミノ酸(*・ω・)ノ

アミノ酸

アミノ酸とは、タンパク質を構成する栄養成分であり人間の身体の構成にもかかせない成分です。玄米中にはタンパク質が7〜8%含まれます。日本酒では麹菌が生成するタンパク質分解酵素により、タンパク質がアミノ酸に変換されます。タンパク質は米の外側部分に多くみられる為、米をあまり磨かず仕込む純米酒はアミノ酸が多く、米をたくさん磨いた大吟醸等はアミノ酸が低い傾向になります。 

旨味

アミノ酸が高ければ旨味が増し、コク等を感じます。アルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸など日本酒には約20種類ほど含まれています。アミノ酸の多いお酒は、お燗によって美味しさが高まる事が確認されています。オススメの1本はこちら! 

シン・ツチダ

土田 生もと純米 シン・ツチダ 
1800ml ¥3,575(税込)
720ml ¥1,925(税込)

低精白、生もと仕込みの江戸時代の製法に近いこのお酒は、 常温保管推奨のお酒です。芯が通っていながら、奥深い濃密さと複雑な味わい。抜栓後、常温放置すると味が進化していく、伸びしろのあるお酒です。味わいが開く変化を、是非燗酒でお愉しみください。 

酸度・アミノ酸度

日本酒の酸度とアミノ酸度

日本酒でみられる酸度とは、有機酸の量を相対的に表した数値です。平均的な酸度は1.0~1.4程度です。 酸度が高ければ濃く、酸度が低ければ淡麗な印象になります。

アミノ酸度とは、名の通りアミノ酸の量を相対的に表した数値です。こちらも平均的な酸度は1.0~1.4程度です。アミノ酸が多ければコクや旨味が感じられ、低ければ淡麗な印象になります。

アミノ酸が高いお酒をお食事と合わせてみました!

月の井 純米

月の井 純米
1800ml ¥2,970(税込)
720ml ¥1,485(税込)

月の井の定番純米酒です。アミノ酸度がなんと2.8Σ(・ω・ノ)ノ! 他のお酒の倍ぐらいです。

月の井 うなぎ

15℃の冷酒で、鰻の蒲焼きと合わせました。決して甘くない、凝縮されどっしりとした濃醇な旨みを感じます。複雑味と奥に穀物感もあり、力強くキレの良い味わいです。鰻のねっとりした脂の乗った旨味が、月の井の力強さにも負けず、ピッタリと調和しました。 

月の井 松前漬け

65℃の燗酒で、松前漬けと合わせました。高めの燗で、豊かな旨味が渋味、複雑味と共にじんわりと口中に広がり、キレの良い後味です。昆布のグルタミン酸や、イカのねっとりとした旨味をしっかり受け止め、一緒に広がる至福の組み合わせでした。 

「酸」で日本酒チョイス、色んな発見がありオススメです♪ 

(出典)
・日本醸造協会誌  清酒に含まれる有機酸の酸味と飲用温度の関係 
・食品分析開発センター SUNATEC 
・月桂冠 
・あいち産業科学技術総合センター 
・食品工業技術センター(清酒に含まれるアミノ酸の分析について)