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茨城県大洗 月の井酒造新酒内見会にお邪魔してきました

  • 2026/03/21
  • katidoki

酒の勝鬨トネガワです。

2026年3月18日(水)、茨城県大洗に構える「月の井酒造」さんの新酒内見会にお邪魔してきました。
当日は坂本社長、会長に温かく迎えていただき、昼食から蔵への送迎まで大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

趣のある木造蔵の中に一歩足を踏み入れると、そこには「月の井」のラインナップがずらりと並ぶ、圧巻の試飲会場が広がっていました。

ずらり月の井のお酒
日本酒担当部長堀口が飲み進めていきます。
スポイトで少しずつとって飲み進めていきます。
月の井のお酒にはかかせないかんすけ。お燗もいただきました。
お燗でかかせないのはこの黄色く色づいたお酒。

燗酒の魅力:

月の井に欠かせないのが「かんすけ」によるお燗。特に目を引くのが、黄金色に色づいたお酒です。あえて加水を少なくし、お米をしっかりと溶かし切ることで生まれるこの色は、旨味が凝縮されている証。日本酒度+20、アルコール20度の「20/20(Twenty Twenty)」のような力強いお酒が醸されるのも、こちらの蔵ならではの面白さです。

注目のラインナップ:

彦市 荒走り: 地元の鉄道会社の方々からも「お気に入り」との声が。重厚な酒質が多い中で、このフレッシュでライトな飲み口が良いアクセントになっています。

純米吟醸 無濾過生原酒 R6BY(兵庫県産山田錦): 堀口が選んだ一押し。お燗にするとさらに表情が豊かになり、入荷が今から楽しみな1本です。

和の月(なのつき) 純米大吟醸: お燗でいただくと非常に上品な佇まいに。

ワイン樽熟成(新たな試み): 山梨の「ボー・ペイサージュ」の樽を使用した逸品。ワインのニュアンスが見事にお酒に溶け込んでおり、来場者からも高い評価を得ていました。

蔵見学:石川杜氏から岩渕新杜氏へ繋ぐ「改革」

試飲の後は、現・石川杜氏の一番弟子であり、新たに杜氏に就任された岩渕さんの案内で蔵内を見学させていただきました。

月の井酒造は、コロナ禍を機に石川達也氏のもとで劇的な改革を行いました。 「酒造りの工程」はもちろん、身の回りの環境すべてを見直したそうです。危険な足場を取り払い、不要なものを整理し、砂壁に自ら漆喰を塗る……。隅々まで清掃が行き届いたピカピカの蔵内からは、酒造りに対する誠実な姿勢が伝わってきます。

ピカピカです
蔵人皆で手作業で塗った漆喰

―― 蓋麹(ふたこうじ)へのこだわり

特に印象的だったのは、麹造りの工程です。効率を考えれば大きな蓋(容器)を使う方が楽ですが、月の井ではあえて小さな蓋を使用します。
「表面積を小さくすることで、麹菌の入り方や酵素の出方が劇的に変わる」
江戸時代から続くこの手法には高度な技術が必要で、長年この作業を行ってきた岩渕杜氏も「十回に一回、ようやく納得のいくものが造れるようになってきた」と語るほど、厳しい修行の連続だそうです。

―― 自然に委ねる、スペックを超えた酒造り

石川杜氏の教えは「過度な温度管理をしない」こと。
あえて緻密な酒質設計に縛られず、その年の自然な環境に身を委ねる。作為的に冷やすのではなく、お米の力を信じて溶かし切る。その結果、蔵によっては50%を超える酒粕歩合が驚愕の20%台。これは、お米のほとんどがお酒に変わっているという驚きの事実を物語っています。

会長のお気に入りカラー黄緑のYABUTA
ワイン樽熟成にはボーペイサージュ(Beau Paysage)の樽を使用

ワイン好きの方からも注目されているそうです。

酒母を下の階に移すために使う穴。忍者屋敷の様でよいです。
もと摺り唄

石川杜氏が竹鶴で唄っていたものを継承しつつ、一番の歌詞だけ大洗風に変えたそうです。水鳥とは酒の事で「さんずいに酉」の隠語なのだそう

ウッドワークの桶

潰れかけていた会社が今では仕事が追いつかないほどまで回復したのだそうです。桶造り。なくなって欲しくない日本の文化です。

おわりに

石川杜氏の「お酒はスペックではない。向き合い方だ」という言葉が胸に響きました。 原料や価格が違えど、すべての酒に対して同じ思想、同じ熱量で向き合う。その派生形として一つひとつの商品があるのだと。

後を継ぐ岩渕杜氏の「常に考えて仕事をする」という真摯な人柄に触れ、今後の月の井酒造がさらに進化していくことを確信しました。月の井酒造の他の蔵人さんもとても親切で酒造りが好きな方が多い印象でした。皆様、これからの「月の井」にぜひご注目ください!

最後に坂本社長と堀口で記念撮影。

本当にありがとうございました!