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2025年3月11日、神奈川県海老名市にある「泉橋酒造」に蔵見学及び山卸し体験

  • 2025/03/18
  • 大塚薫

2025年3月11日、神奈川県海老名市にある「泉橋酒造様」に蔵見学及び山卸し体験に行ってきました。

酒のかちどき大塚です。あいにくの天気で天候は曇り模様。
朝は冷え込む気温で電車に乗り向かいました。

小田急線の海老名駅で弊社竹谷と待ち合わせをし、タクシーに乗り泉橋酒造様へ向かいました。10分ぐらいで、蔵に到着。

酒蔵
酒蔵外観
蔵
蔵の入り口

到着すると由緒ある歴史が漂う外観に圧倒されました。
中に入っていいのか分からず、とりあえず敷地の中に入ってみると蔵の方がいらっしゃったのでお声がけをして、受付までご案内していただきました。

事務所の中に案内されると、そこには泉橋酒造営業部の寺田さんがいらっしゃいました。
早々に、名刺交換をしてご挨拶をさせていただきました。
「本日はA班B班に分かれて蔵見学と山卸し体験をしていただく。」との事で、我々はA班の席にご案内していただきました。
まだ空席が目立つ、約20名~30名ほどの席の中に着席し、イントロダクションの時間まで頂いた資料を見ながら待機していました。

イントロダクションとして「もと屋」の犬塚さんによる生もとについての説明会

酒母の役割や生もと、山卸しとは何か、などのご説明がありました。ご説明の中で、私が思ったことはまず「栽培醸造蔵」であることに驚きました。これは全国的にも珍しく、地元の海老名周辺の田んぼにて酒米の栽培・精米、そして醸造まで一貫して取り組んでいることに驚きました。

酵母の役割の説明の際に、もろみの中にある酵母数の話になり、タンク1本当たりの酵母数はなんと「600京(けい)匹」。銀河系には、約2000億個の恒星(星)が存在すると考えられています。また、地球上の蟻は約2京匹と言われていますので、それ以上の相当な数の酵母によって成り立っていることを知ることが出来ました。

また、酒母造りで大切なのが、雑菌の汚染を防ぐこと。
様々な菌がまるで椅子取り合戦のように陣地を取り合うので、酒母が死滅しないように「麹のあまさ」と「乳酸」の大切さを知ることが出来ました。

そもそも、なぜ山卸しをするのでしょうか。

山卸しをすることにより酸素の量が減ります。酸素がなくなると雑菌が増えることなく、乳酸菌が元気に発酵するためにこの作業が必要になるということ。

今回、日本酒を作るために必要な山卸しは「生もと」の商品を作るために必要な工程作業だということ。「生もと」は天然の乳酸で手間と時間をかけて、最高品質にするための技法であるということを知れました。

生もとの育成方法には様々な作業工程がありますが、その中でも今回体験させていただいたのが山卸しです。本来なら、山卸しの工程だけでも3回に分けて作業しますが、今回はその間の2回目の工程を体験させていただく事になりました。犬塚さんからいただいたアドバイスによると、腕だけを動かすと腕が疲れてしまうので必ず下半身も使って体全体で押し込むとの事でした。


二人一組で左右交互に混ぜるので、竹谷さんとペアを組んで作業にとりかかりました。

竹谷さん
竹谷さん
山卸しの様子
山卸しの様子
山卸しの様子
すりつぶしていきます
もろみ

いざ作業に入って思ったことは、意外と身体全体で作業する事が難しいという事でした。最初は意識して身体全体を使って作業をするのですが、だんだんと腕だけの力に頼ってしまい、腕がパンパンになってしまいました。実際に体験をすることによって、蔵の方たちはもちろんのこと、乳酸菌や酵母の努力によって日本酒が造られていることを知れることができました。

今後のお酒の飲み方や考え方が変わっていく気がしました。

蔵見学

最初に見学したのは、お酒を上槽するために必要な「ふなしぼり」をする機械を見させていただきました。

ふね
槽(ふね)
酒袋
酒袋

中身は何層にも重なり合う醪の入った酒袋がありました。

一番上まで積み重なった酒袋が、機械で圧縮する事により最終的には半分ぐらいの高さまで圧縮されると聞いて驚きました。ここで、搾りたてのお酒を飲ませていただきました。濃厚で凝縮された深い味わいでした。

酒
搾りたてのお酒

「製麹室」

製麹室
第二製麹室
製麹

ここでは、蔵の方から製造された暖かい状態の麹を試食させていただきました。
蒸かした甘栗の味に似ていて、とても美味しかったです。

「貯蔵庫」

貯蔵庫
タンク
タンク
タンクの奥にはヴィンテージ日本酒が

たくさんの大きなタンクが種類別に並んでいて、そのタンクの大きさに圧倒されてしまいました。
貯蔵庫の一番奥には、数多くのヴィンテージの日本酒が保存されていました。

泉橋酒造様が所有している田んぼを見学

田んぼ
自社の田んぼ

酒米は相模川左岸沿いの海老名市、座間市、相模原市にて栽培しており、自社栽培と契約栽培を合わせて約46ヘクタールの栽培面積にもなり、泉橋酒造様で製造する日本酒の原料米の9割以上を賄っているそうです。

チェーン
除草チェーン

蔵に戻ると、雑草を除去する手作りの「除草チェーン」をみせていただきました。

このチェーンを苗の根っこがしっかりした段階で、人力でけん引するそうです。そうすることで、小さな雑草の芽を土壌中に埋め込んだり、浮かせたりすることが出来るとの事。こんなところにも蔵の方の努力があったことを知らされ驚きました。

蔵の中に新しくオープン予定の売店にお邪魔しました。

酒友館
酒友館
酒友館
酒友館

中に入ってみると広々とした店内で、ちょっとしたお食事が楽しめる場所や試飲会、展示などができるスペースなどがあり、この場所で外国の方を招いてツアーを開催したりするそうです。そこで泉橋酒造様のお酒を20種類、竹谷さんと試飲させていただきました。

試飲
試飲
試飲
20種類
軽食
暖かいお味噌汁とおにぎり

最後は軽食をいただきまして、試飲後の身体に染み渡る暖かいお味噌汁とおにぎりを美味しくいただきました。帰りは絶景の田園風景を見ながら駅まで歩いて帰りました。

まとめ

初めての蔵見学で右も左もわからない状況でしたが、実際に見学や体験をしてみて思ったことは、お酒一つ一つに様々な思いや、絶え間ない努力があってこその「ものづくり」なんだということに改めて気づかされました。

日本の「ものづくり」が素晴らしいんだという事が、日本中または世界中にもっと知れ渡ることを願いたいです。