東京築地/勝鬨酒販株式会社

Re:精米歩合あらためておさらいする富久長 / 広島県今田酒造本店

2023/05/08
katidoki

酒の勝鬨トネガワです。先日の試飲会に行ってきましたレポートの続きです。前回は新潟の「鶴齢」でしたが今回は広島の「富久長」です。私事ですが、最近学んだ3D作成フリーソフト「Blender」を使い、3Dでお米の内部を表現してみました。

こんな感じのものが無料のソフトで作れてしまいます。（参照YouTubeはコチラ）時代が変わってきた感じがしますよね～（米カプセルプロトタイプ on blender）友人に見せたところ、「たまご？」「薬？」とか言われてしまうため、コメに関してはもっとシンプルな３Dでつくりました。

話がそれてしまい申し訳ございません。今田酒造本店の今田美穂杜氏にいろいろお話をお聞きしてきました。「コロナの期間はずっとこんなことしていました！」と精米や生酛のことを楽しそうに語る今田杜氏はとてもエネルギッシュで話しているだけでも元気をもらえる素敵な方です。

下、左側にある「サタケ」というのは、日本が誇る広島の精米機メーカーです。1896 年(明治 29 年)に創業者・佐竹利市の発明によって生み出された日本初の動力式精米機。歩留まりが良く高品質なサタケ製の精米機はやがて世界各国に導入され、一部の国では精米機のことを「SATAKE」と呼ぶ国もあるそうです。（SATAKEホームページより）そして、右側のマークが「富久長」今田酒造本店のロゴマークです。「GENPEI」「HENPEI」「KYUKEI」って？米を削る精米歩合について簡単に説明していきます。

左側：球形精米。従来の米の磨き方です。
中央：原形精米。そのままの形を保ちながら小さくなっていく磨き方です。
右側：扁平精米。原型精米の厚みを薄くしたバージョンです。

このようにお米の磨き方を工夫することにより、タンパク質を4％まで削減するためにお米を50%磨いていたところを70%磨けばよい。という新しいルールをつくることができているということなのです。本来、お米を50％以上磨くことを純米大吟醸。70％以上の磨きとなれば純米酒のレベルです。あまりお米を磨かないで綺麗な酒質を再現できるとなればフードロスにもつながりますし、そもそもの純米大吟醸、純米吟醸、純米というすみ分けの概念が変わります。今後のこの米の磨き方への取り組みがどうなっていくのか非常に興味深いところです。なるべく簡単にシンプルに説明しましたが、もっと詳しく知りたい方は広島県のホームページがわかりやすく説明されていますのでコチラをご覧ください。以下、原形精米と扁平精米のお酒です。

【限定商品】【日本酒】富久長(ふくちょう)【GENKEI】火入サタケシリーズ R4BY
720ml ￥2,200（税込）

【限定商品】【日本酒】富久長(ふくちょう)【HENPEI】火入サタケシリーズ R4BY
720ml ￥2,200（税込）

そして、今田酒造本店の人気商品、「海風土（シーフード）についてもお聞きしてきました。
このお酒の特徴はクエン酸による「すっぱい！」をりんご酸による「マイルドさ」がカバーしてバランスをとっているところにあると美穂杜氏。

辛いもの、中国の四川料理から韓国料理に合います！トマトを使った料理にも合います！とアドバイスいただきました。韓国料理は韓流ブームやアイドルブームでだいぶ馴染みがある食べ物になってきていると思うので、今風に合わせてみても面白いかもしれませんね！弊社でも「飲みやすくて美味しい！」と人気の商品です。

【定番商品】【低アルコール】【日本酒】富久長(ふくちょう)純米海風土シーフード
1800ml ￥3,300（税込）
720ml ￥1,650（税込）

最後にご紹介するのはハイブリット生酛です。2013年より試行錯誤を重ね、高温糖化と古来伝統の生酛系酒母を組み合わせたハイブリッド生酛を実現。この製法によりだいぶ安定性が増しているようです。現在もブラッシュアップして試行錯誤しています。と楽しそうに話す美穂杜氏。

富久長が復活させた広島在来品種の酒米「八反草」の個性もこのハイブリット生酛に生かされています。「八反草の特徴ってどんなところですか？」とお聞きしたところ、「酸とワイルドさですね」とのこと、「酸」と共に「ワイルド」がある。古い品種のお米から出来ているので、力強く逞しさがあるみたいです。