
富久長
ふくちょう
広島県 株式会社今田酒造本店
広島県東広島市安芸津町三津3734
今田酒造本店の歴史
明治元年(1868年)創業。 今田酒造本店のある安芸津町は古くより杜氏の郷として知られ、酒都と呼ばれる西条の酒蔵をはじめ、全国へたくさんの杜氏や蔵人が出かけていきました。 広島県の酒造りの歴史は古く、天正年間(1573年)ころに遡ります。 近代のような発展を遂げたのは明治28年の日清戦争以後、広島杜氏の里である安芸津町の醸造家三浦仙三郎(1847-1908年)によって軟水醸造法が確立されたことによります。 仙三郎は第1回全国清酒品評会の審査員をつとめ、杜氏の育成に力を注ぎました。その結果、広島の酒が上位を独占。吟醸酒が広島で生まれたとされる理由はここにあります。 ちなみに『富久長』の酒銘も三浦翁による命名です。
今田酒造本店

広島米へのこだわり
広島の酒造好適米には雄町系、山田錦系、八反系と3つの系統がありますが、 広島で生まれ、育種されてきたオリジナルの系統が「八反錦」「八反」などといったお米で知られる八反系統です。 その八反系統のルーツ、広島酒米のルーツこそが現在では全く栽培されることのなった「八反草」なのです。 幻となった「八反草」とはどんなお米だったのか。 幻の「八反草」の酒が飲みたいという思いから富久長の「八反草」栽培はスタートし、毎年その個性を余すところなく引き出そうと試行錯誤を繰り返しています。
海風土(シーフード)について
その名のとおり魚介類との相性を考えて新しく開発したお酒です。 安芸津町の三津湾は瀬戸内海の中でも清浄な海域で知られ、生食用牡蠣の産地として有名です。 昔から富久長の酒は海の幸との相性を重視して醸されてきましたが、ある酒販店さんから『牡蠣にあう酒をつくってもらえないか』と依頼を受けたそうです。 牡蠣はレモンを搾って食べることの多い食材であることからレモンのような爽快な酸味を持たせられれば、牡蠣によくあう新しい日本酒になるのではないかと考え、 クエン酸を多く作る白麹に着目し、工夫を重ね産まれました。 爽やかな酸と、魚介類の生臭みを流す後口の良さ、その上アルコール度数も13度くらいと普通の日本酒よりも低めにしているので、 牡蠣に限らず魚介類とグラスを重ねるのに最適です。 そんな素敵お酒を安芸津の地と目の前に広がる海の豊かさに敬意を表し『海風土』と名付けられました。