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7月29日(月)「農!と言える酒蔵の会」設立お披露目会が大井町きゅりあんにて開催され、堀口と私柳澤で行ってまいりました。

「農と言える酒蔵の会」は「酒米の栽培」も行なっている12の酒蔵によって新しく設立されました。このスタイルは現在の日本酒業界では稀な形態ですが、そのなかでも大規模かつ長年に渡り栽培をしてきた12蔵で構成されています。その参加蔵元一覧は以下になります。

都道府県 会社名 代表銘柄 栽培開始年 栽培面積(ha)
宮城県 株式会社一ノ蔵 一ノ蔵 2005 20
福島県 合資会社大和川酒造店 彌右衛門 2007 35
福島県 株式会社高橋庄作酒造店 会津娘 1875 4
福島県 有限会社仁井田本家 にいだしぜんしゅ・穏 2003 6
神奈川県 泉橋酒造株式会社 いづみ橋 1996 8
愛知県 関谷酒造株式会社 蓬莱泉 2006 27
三重県 合名会社森喜酒造 るみ子の酒 1996 3
三重県 元坂酒造株式会社 酒屋八兵衛 2007 2.5
奈良県 千代酒造株式会社 篠峯 1995
大阪府 秋鹿酒造有限会社 秋鹿 1985 22
岡山県 丸本酒造株式会社 竹林 1987 18
山口県 酒井酒造株式会社 五橋 2004 5.5

第1部の「設立発表会」では、この会の設立に携わった日本酒輸出協会長で日本酒研究家の松崎晴雄さんが「コメづくりと酒づくりの研究を進め、日本酒業界全体の興隆につなげてほしい」とのあいさつに始まり、その後12蔵が簡単な自己紹介になります。

酒米作りを始めたきっかけは、「平成5年の冷害から危機感を感じた」(一ノ蔵)、 「自給自足を目指す」(仁井田本家)、 「規制緩和をきっかけに農業に参入」(泉橋酒造)、 「耕作放棄地の受け皿として」(関谷酒造)、 「もともと飯米は作っていた」(秋鹿酒造)、 「もともと農家」(大和川酒造店)、 「実家が農家の社員のたんぼを引き継ぐ形」(酒井酒造) など様々ですが、「今絶妙なタイミングに来た。農業と醸造そして消費者を繋げてみんなでハッピーになる」と、会の中心的な存在である丸本酒造さんの言葉こそが、この会の目的と言えるのではないでしょうか。

第2部では、マスターオブワインの大橋健一氏による基調講演があり、世界で日本酒の地位を高めるためには、醸造のことを語るよりも農業を語る必要があるとおっしゃり、世界中のマスターオブワインが4年に1度集まるイベントがあり、今年スペインで開催された際には、今最もクールなビバレッジは何か?となり、ギリシャワイン、ジョージアワインに続き、サケ(SAKI)だと話題になったそうで、日本酒は世界的にもかなり注目されているとのことです。そして原材料に近い立場にある「農!と言える酒蔵の会」が農業からお酒を語れることは、海外に進出する上で優位にあると言います。

第3部では、「米と酒を味わう懇親会」と題して、12蔵のお酒と実際に作られたお米で頂ける試飲会、試食会がありました。やはり全体的にお米の味わいを感じさせる酒質かなと思いましたが、特に秋鹿酒造さんの「奥鹿」が美味しかった!

現在日本酒を造る蔵元は、全国に1,400以上あると言われているなか、それぞれの蔵元さんが酒造りに対する思いや考え方があるのだなと、最近改めて感じているところでした。そして「農!と言える酒蔵の会」を通じて初めて酒米造りをしていると知った蔵元さんもありました。「農!と言える酒蔵の会」のような蔵元さんが存在してること、そしてそれ以外の酒蔵さんも含め、普段私たちがお取り扱いさせて頂いている商品について、飲食店様や消費者様へきちんと伝える役割が我々酒屋にあると強く感じました。そして、数ある日本酒の中で自ら酒米を栽培している「農!と言える酒蔵の会」の商品が、今後ひとつの選択基準になることでしょう。

会の始まりからトータル6時間という長丁場で、濃密かつ分厚い内容で最後はちょっとぐったりもしましたが、このようなオープンセミナーは年2回程度を開く予定で、農業と酒造りについて情報共有し、「農と言える酒蔵の会」以外の組織とも連携を促して行くそうですので、今後も期待致しましょう!