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酒米、蒸し、種切り

齋彌酒造店さんは契約農家さんから酒米を提供してもらっており、壁には30もの契約農家さんの写真がありました。齋彌酒造店さんには40項目をも分析できる分析器があるそうで、そちらのデータを元に時には要望を加えながら契約農家さんへ伝えているそうです。その甲斐あって契約農家さんのお米も年々良くなっているそうです。佐藤常務は究極にいい米で仕込めばいい酒ができると仰っておりました。お話をしていると10時に近づいたので蒸米の現場へ行ってみましょう。

巨大な釜から蒸しあがったお米がクレーンにて持ち上げられ、冷却器へと通されます。徐々に冷まされ蒸米が出てくるところで、高橋藤一杜氏が種麹を降って種切りをしています。そして種切りされた麹米をボックスに少しずつ分けられると、順番に蔵人さんたちが肩に乗せてダッシュで麹室へと運び入れて行きます。同様に掛け米は仕込みのタンクへ、そして酒母用の蒸米が第2酒母室へと運ばれていきました。みなさん計算された流れ作業でテキパキと動いておりました。

ここで高橋杜氏自ら汲んで頂いた22日目の大吟醸出品酒を頂きました。まだ濁った状態ですが、ピリッとしつつ甘みのあるフレッシュな味わいでした。蔵元さんでしか頂けない貴重なお味です。そして斎藤社長、高橋杜氏を交えてお話を致しました。

杜氏の想い

テーブルには出来上がったばかりの純米大吟醸と大吟醸。こちらを頂きながらお話を聞きました。こちらのお酒には自社酵母の4号が使用されてるそうです。4号酵母は発酵量が多く、味が強くなってしまうので元々は普通酒用に使用されていたそうです。しかし、25年経った時に確認したところ香りとバランスが出るようになり、「これはいける」と、純米吟醸酒などにも使用し、今では40パーセントのお酒に使用される主力の酵母になったそうです。いただいたお酒も抑えられた香りがあり、とても柔らか、そしてバランスの良い美しい出来栄えでした。

齋彌酒造店さんで使用される酒米は「山田錦」「酒こまち」そして「山田穂」がありますが、この「山田穂」を使うことにこだわりがあるようです。「山田穂」は「山田錦」の母系にあたる歴史の古い酒米で、杜氏曰く独特の古代米臭があるそうですが、出来に厚みを持たせてあげるとまとまりが出て香りも落ち着くそうです。そのような味わいを生み出すのも、長くやっていると一気に分かってくるとか。将来的には「山田穂」と言えば「雪の茅舎」と言われるまでやりたいと仰います。

昨今では、様々な酒米を使用して少ない量で限定販売するケースも少なくないですが、同じ酒米を何度も何年も使って酒造りをしないと、その酒米の特性は分からないと高橋杜氏は言います。そして佐藤常務と同じように、蔵を綺麗に維持することがやはり重要と言い、時間があれば拭くなりして、蔵も積み(倉庫)も一定に保つ。出荷までが酒造りと言います。そのような高橋杜氏の想いが、若い蔵人さ達へとちゃんと引き継がれているのが蔵人さんや蔵の中を見て伝わってきましたし、若い蔵人さんへの信頼も高橋杜氏の言葉から感じら取れました。

最後に酒造りに対する情熱はどこから来るのですか、という問い掛けに対し高橋藤一杜氏は、

「だって酒造りは楽しいじゃない。酒造りには無限の可能性がある。」

と、微笑みます。

「雪の茅舎」というお酒を初めて飲んだ時から、芸術的で美しいお酒だなあと感じていましたが、今日ここへ来てその理由が分かりました。

斉藤浩太郎代表取締役様、高橋藤一杜氏様、佐藤昭久常務様、そして蔵人の皆様、お忙しい中大変お世話にになりました。
そういえば、皆さん口を揃えてウチの・・・中村は元気でやってますかと、齋彌酒造店さん出身の弊社・中村をことを気にかけてくれるのが、なんか温かくていいなぁと思うのでした。

まとめ

・蔵は傾斜を利用した構造
・蔵は有形固定資産
・全量自社精米
・洗米は4度も行う
・独自の三無い仕込み
・アルコール15度の原酒
・全量自社酵母
・綺麗な山廃酒母
・秋田杉を使用した麹室
・種切りは麹室では行わない
・毎日1タンク仕込み
・槽場も冷蔵環境
・火入れパストライザーに独自構造
・瓶は基本的に新瓶
・醸造アルコールも寝かしている
・広い出荷場も冷蔵庫になっている
・出荷の直前にも再度品質確認
・ダンボールにも一工夫
・瓶貯蔵は3000石規模予定
・いい酒にはいい米作り
・蔵内はどこもピカピカ
・環境づくりが大事
・山田穂に期待
・掃除は汚れる前にするもの

2019年3月4日放送 NHK 『プロフェッショナル 仕事の流儀』踏み出す勇気、終わりなき革命 杜氏 高橋藤一

2019年3月4日(月)午後10時25分より、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にて、齋彌酒造店 杜氏 高橋藤一 氏が出演致します。

訪問させて頂いた少し前までに取材が行われていたそうですが、取材中はいい緊張感があったそうで、お酒の出来も素晴らしかったそうです。是非お見逃しなく!! 詳細はこちら

 

「雪の茅舎」商品は、Rakutenにて販売中です!